【食育実践】子どもたちが主役!「聴かせる」給食放送の作り方

T市立M小学校の保健給食委員会が運営する放送番組「ミューズ」。 この番組のコンセプトは**「食事を科学的に考えて楽しむ」**こと。ただ食べるだけでなく、食材の歴史や栄養をクイズ形式やコント仕立てで紹介し、子どもたちの知的好奇心を刺激します。

今回は、4年生チームが担当した「書き初め」と「ハンバーグの歴史」をテーマにした放送回を、一般化してご紹介します。

本記事は、学校教育における食育の優良事例を紹介することを目的としており、関係者のプライバシーに配慮して掲載しています。


はじめに:休み明けの教室を「放送」で温める

実践紹介:新年スペシャル放送の構成ポイント

ここがすごい!「笑い」と「学び」の黄金バランス

地域とつながる:生産者の顔が見えるストーリー

まとめ:給食時間を「生きた教材」にするために

【キャスト構成】

  • Kさん(司会・しっかり者)
  • Tくん(ボケ担当・元気なスポーツマン)
  • Mさん(癒し系・解説担当)
  • Maさん(アーティスト肌・天然ボケ)    ※児童のプライバシーに配慮し、氏名はイニシャルに書き換えていま

(チャイム)

全員:「こんにちはー!」

K:「給食の時間がやってきました! 食事を科学的に考えて楽しむ、そして音楽の女神様!」

全員:「その名も、『ミューズ』!」

K:「今日の放送は、4年生チームでお届けします! 司会はKです!」

T:「うおおー! 腹が減っては戦ができぬ! 俺はスポーツマン、Tだぜ!」

M:「ふふっ、Tくん元気だねえ。癒やし担当のMです。」

Ma:「ねえねえ、私の筆知らない? アーティストのMaだよ~。」

K:「Maさん、筆はさっき片付けたでしょ(笑)。さて、今日は『書き初め大会』だったね! どうだった?」

T:「俺は『無限のパワー』って書こうとして、半紙から飛び出しちゃったぜ!」

M:「あはは。私は心を込めて『平和』って書いたよ。」

Ma:「私は『墨汁のしずく』っていうアートを描いたの。芸術だよね?」

K:「個性豊かでいいね(笑)。さあ、頭を使ったあとは栄養補給! 今日の献立を紹介するよ!」

(中略:献立紹介)

T:「きたー! ハンバーグ! ……って、あれ? 『たぬき汁』って、まさかタヌキが入ってるのか!?」

Ma:「ええっ、タヌキさんかわいそう~。」

K:「もー(笑)。『たぬき汁』は、お肉の代わりにコンニャクを使った精進料理のことだよ。安心してね。」

M:「今日は、その『ハンバーグ』についてお話しするね。」

K:「ハンバーグの名前は、ドイツの都市『ハンブルグ』が由来なんだって。」

(中略:ハンブルグでの起源解説)

T:「よーし、じゃあここでクイズだ! ハンバーグはいつ頃、日本に伝わったでしょうか? 1番:明治時代 2番:大正時代 3番:昭和時代」

Ma:「うーん、おじいちゃんが好きそうだから昭和?」

M:「正解は……『1番:明治時代』です!」

全員:「ええーっ!?」

K:「約140年前に伝わって、家庭料理として広まったんだよ。」

T:「140年前のサムライも『拙者はデミグラスソース派でござる』とか言ってたのかな?」

全員:「(笑)」

K:「さあ、歴史を感じながらいただきましょう! 今日は金曜日、ドイツ語でお別れです。せーの!」

全員:「ビス・ネクステ・ヴォッヘ(Bis nächste Woche)!!(また来週)」

この放送が優れている3つのポイント

この原稿には、子どもたちを引きつけ、学びを深めるための「仕掛け」が施されています。

  1. キャラクター設定の明確化 「スポーツマン」「アーティスト」「癒し系」など、役割(キャラ)を与えることで、子どもたちは照れずに演じることができます。TくんのボケにKさんがツッコむといった掛け合いが、教室に笑いを生み出します。
  2. 季節行事と食のリンク 冒頭で「書き初め」という共通の話題(季節の行事)に触れることで、聞き手の共感を呼びます。そこから自然に給食の話題へ繋げる構成が秀逸です。
  3. 「へぇ~!」を引き出すトリビアと国際理解 「たぬき汁の由来」や「ハンバーグの語源」など、明日誰かに話したくなる知識を盛り込んでいます。最後に「ドイツ語」で挨拶をするのも、食文化を通じた国際理解教育の第一歩として素晴らしい工夫です。

まとめ

「放送を流す」のではなく「番組を届ける」。T市立M小学校の実践は、食育が単なる知識伝達ではなく、豊かなコミュニケーションの場になり得ることを教えてくれます。ぜひ、先生方の学校でも、子どもたちの個性が光る放送原稿を作ってみてはいかがでしょうか。

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