【食育レボリューション】給食放送が変われば教室が変わる!T市立M小の「キャラ立ち」脚本術に学ぶ、聴かせる番組作り

【放送原稿】給食放送「ミューズ」
本記事は、学校教育における食育の優良事例を紹介することを目的としており、関係者のプライバシーに配慮して掲載しています。
(BGM: 明るく元気なオープニング)
全員:「こんにちはー!」
Kさん(司会):「1月14日、水曜日! 給食放送『ミューズ』の時間です。この放送は、私たちが食事を科学的に楽しみ、心も体も元気になるための番組です。司会は、私、4年生のKと!」
Aさん(ボケ担当):「はいはーい! 6年生のみんなのアイドル、Aだよ~! 今日はね、お腹の音が『グーグーガンモ』って鳴ってるの!」
Iさん(ツッコミ担当):「A先輩、例えが古すぎます! 5年生のIです。今日もビシッと進めますよ。」
Maさん(芸術肌):「ふわあ~……お腹の音は、生きている証(あかし)だね……。その音色を描きたいな。4年生のMaです。」
Miさん(癒やし系):「ふふっ、みんな元気だね。4年生のMiです。それじゃあ、今日のメニューを紹介するね。」
(BGM: ゆったりとした曲調へ)
Miさん:「今日の献立は、『コウノトリ米ごはん』『牛乳』『ポテトグラタン』『大根のサラダ』『春雨スープ』です。あったかいね。」
(BGM: アップテンポに転換)
Kさん:「さて、今日の主役は『ポテトグラタン』! 話題は『グラタンの正体』について!」
Aさん:「グラタン! 名前が強そうだよね。『怪獣グラタンが現れた!』みたいな?」
Iさん:「先輩、強そうじゃなくて美味しそうです。実は『グラタン』はフランス語で、元々は『おこげ』や『焦げ目を付ける(グラテ)』という意味なんです。」
Maさん:「えっ? じゃあ、グラタンは『焦げ目ちゃん』? 芸術的だわ……焦げ目こそが魂なのね。」
Iさん:「日本には約150年前、明治時代に伝わったそうですよ。」
Aさん:「へえ~! 明治時代の人も『あちち!』って食べてたのかな? 親近感わく~!」
(中略:ここでクイズコーナー!)
Iさん:「クイズです! ラザニアなどに使われる茶色のソースは?」
- オーロラソース
- ブラウンソース
- カラメルソース
Aさん:「茶色で甘そうだから『3番のカラメルソース』! プリンみたいにかけちゃう!」
Iさん:「ブッブー! 正解は『2番のブラウンソース』でした! 小麦粉を茶色くなるまで炒めて作るんですよ。」
(BGM: エンディング)
Miさん:「食事の後は、奥の歯までていねいに磨きましょうね。虫歯菌も『グラテ(削り取る)』しちゃおうね。」
Kさん:「それでは、今日はグラタンの発祥の地、フランスの言葉でお別れです。」
全員:「ア・ドゥマン(また明日)!」M小学校の放送の最大の特徴、それは**「徹底したキャラクター設定」**にあります。 先日行われた「グラタン」をテーマにした放送回の一部を、構成を整理してご紹介しましょう。
登場するのは、個性豊かな5人の児童たち(イニシャル表記)。
- Kさん(4年): しっかり者の司会・アーティスト系リーダー
- Aさん(6年): 自称アイドルのボケ担当
- Iさん(5年): 冷静沈着なツッコミ役
- Maさん(4年): 感性豊かな芸術ボケ
- Miさん(4年): 癒やし系
どうですか? この設定だけで、もう面白そうですよね。
成功の秘訣は「キャラクター設定」と「掛け合い」
実際の放送では、空腹で「お腹がグーグー」鳴るAさんに対し、Iさんが「例えが古いです」と冷静にツッコむところから始まります。 単に「お腹が空きましたね」と言うよりも、「給食が待ちきれない!」という臨場感が伝わりますよね。
また、本題の「グラタン」の解説へ移る流れも秀逸です。
Kさん:「グラタンはフランス語で『おこげ』や『焦げ目を付ける』という意味の『グラテ(gratter)』から来ているの。」 Maさん:「焦げ目ちゃんってこと? 芸術的だわ…焦げ目こそがグラタンの魂なのね。」
このように、「知識(Kさん)」に対して「感性(Maさん)」で反応することで、説明臭さを消し、低学年の児童にも親しみやすく伝えています。
学びのポイント:知識は「クイズ」と「ユーモア」で包む
この回の白眉は、グラタン(ホワイトソース)に関連したクイズコーナーです。 「ラザニアに使われる茶色のソースは?」という問いに対し、ボケ役のAさんが「プリンみたいだからカラメルソース!」と間違えることで、教室に笑いが生まれます。
そしてエンディング。 「食事の後は歯を磨こう」という定番の指導も、このチームにかかれば一味違います。
Miさん:「虫歯菌も『グラテ(削り取る)』しちゃおうね。」
冒頭の知識(グラテ=削り取る)を伏線として回収する高度な構成! これには脱帽です。最後はフランス語の挨拶「ア・ドゥマン(また明日)!」で締めるおしゃれさ。
明日からできる!魅力的な放送作りの第一歩
豊岡市立M小学校の事例から学べることは、**「情報は誰が語るかで価値が変わる」**ということです。
- 役割を与える: 読むだけの係ではなく、「博士役」「食いしん坊役」などのキャラをつける。
- 対話にする: 一方通行ではなく、掛け合いにすることで「会話」として聞かせる。
- オチをつける: 楽しく終わることで、「明日の放送も楽しみ」と思わせる。
先生方の学校でも、委員会の子どもたちと一緒に「オリジナルキャラクター」を作ってみませんか? 給食の時間が、もっと待ち遠しい「学びの時間」に変わるはずです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう! ア・ドゥマン!
